天皇陛下 追悼式でおことば    東日本大震災



天皇陛下は、皇后さまとともに東日本大震災の犠牲者の追悼式に出席し、これからも国民が心を一つにして被災者に寄り添っていくことが大切だという思いを述べられました。

追悼式では、地震が発生した午後2時46分に黙とうが行われたあと、天皇陛下がおことばを述べられました。
天皇陛下は、冒頭、震災の犠牲者と遺族に深い哀悼の気持ちを表したうえで、5年前のきょうを、「仙台平野を黒い壁のような波が非常な速さで押し寄せてくるテレビの映像は、決して忘れることができないものでした」などと振り返られました。
続いて、「あれから5年、皆が協力して幾多の困難を乗り越え、復興に向けて努力を続けてきました」と述べたうえで、「被災地で、また避難先で、今日もなお多くの人が苦難の生活を続けています。特に、年々高齢化していく被災者を始めとし、私どもの関心の届かぬ所で、いまだ人知れず苦しんでいる人も多くいるのではないかと心に掛かります」と話されました。
そして、「困難の中にいる人々一人ひとりが取り残されることなく、一日も早く普通の生活を取り戻すことができるよう、これからも国民が心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います」と述べられました。
.

被災者に心寄せ続けられた5年

天皇皇后両陛下は、震災発生以来、被災した人たちに心を寄せ続けられてきました。
両陛下は、3月11日の震災直後から被災状況の把握に努め、天皇陛下は、未曾有の災害を前に、被災した人たちを思う気持ちをテレビを通じて国民に語りかけられました。
そして、一刻も早く被災者を励ましたいと、3月の末には東京都内の避難所を訪れ、以降、7週連続で、東北3県の被災地などを訪ねて避難生活を送る人たちを見舞われました。
両陛下は、その後も毎年、被災地に足を運び、復興に向かう人たちを励ましたり、被災や復興の状況を視察されたりしてきました。


再び東北3県を訪問へ

天皇皇后両陛下は、来週、福島県と宮城県を訪問し、今も避難生活を送る人や、復興に向かう人たちを励まされます。秋には国体の開会式出席のため岩手県を訪れる予定で、この際にも被災した人たちと会われる方向で調整が進められています。
両陛下が、同じ年に東北3県を訪ねられるのは、震災が発生した平成23年以来になります。